睡眠時随伴症(夢遊病、夜驚症、レム睡眠行動障害)
睡眠中に寝ぼけたような行動が起きる病気です。大きく分けて、ノンレム睡眠中に起きるものと、レム睡眠中に起きるものの2つがあります。
ノンレム睡眠中に起きるものとしては、睡眠時遊行症(夢遊病)や睡眠時驚愕症(夜驚症)などがあり、多くは小児期に見られます。睡眠中に歩き回るほか、布団の上に座るだけのものから、廊下で放尿をしてしまうような目的を持った行動まであります。起こしても覚醒させることは非常に困難です。小児期にみられる睡眠時遊行症は、大人になるまでには自然に消失することが多いようです。
レム睡眠中に起きるものとしては、レム睡眠行動障害があります。高齢の男性に多い病気です。レム睡眠中には夢を見ることが多いですが、通常は筋肉が弛緩しており金縛り状態で身体が動くことはありません。レム睡眠行動障害では金縛り状態が解除されて身体が動くようになるため、夢内容と一致して寝言や異常行動が起こってきます。喧嘩をしている夢を見て大声で叫んだり、隣で寝ている家族に殴りかかったり、起き上がって壁を蹴飛ばしたりすることもあります。しかし、本人は覚えていないため、一緒に寝ているパートナーに気づかれることが多いです。寝言や異常行動を抑えるお薬による治療が行われますが、最近の研究でレビー小体型認知症やパーキンソン病など、他の病気のごく初期の症状として現れる場合があることがわかってきました。レム睡眠行動障害の患者様が全員そのような病気に移行するわけではありませんが、長期間にわったて注意深く経過をみる必要があります。