概日リズム睡眠障害について
睡眠・覚醒の時間帯が、学校や会社など社会生活上望ましい時間帯からずれて固定してしまう病気です。極端に夜寝る時間が遅くなり、いったん眠ると朝には起床できず昼ごろまで寝続けてしまうといった睡眠相後退症候群が代表的です。特に夜間の外出やスマートフォン、パソコンなど強い光を発する機器を使うようになる思春期~青年期に多く、長期休暇や風邪などの体調不良をきっかけに発症しやすいです。
1日は24時間ですが、人の体内時計の周期はそれより少し長く、約25時間程度といわれています。その体内時計のズレを修正するために最も重要なのものが「朝の光」になります。具体的には、朝に目から強い光が入ることで体内時計がリセットされ、それから約14~16時間後に眠気を促すメラトニンというホルモンが分泌されて自然な眠気が生じます。この一連の体内時計のリズムが何らかの理由で崩れると概日リズム睡眠障害を引き起こしてしまいます。
治療については、睡眠日誌などで睡眠リズムのパターンを把握した上で生活指導を行い、必要に応じてお薬での治療を組み合わせていきます。睡眠リズムの乱れが強い場合には、短期間の入院が必要となることもあります。