自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害)
臨機応変な対人関係が苦手、自分のやり方、ペース、関心に固執する、などが大まかな特徴です。もちろん個人差はあります。まずは特徴に気づくことができ、周囲や自身が把握できること、特徴に合わせて環境を整えていくことが大切です。環境によっては驚くべき才能を発揮できることもあります。
注意欠陥多動障害(ADHD)
成長とともに注意の持続や衝動の抑制など自分をコントロールする力が伸びてくるものですが、それが遅れるのがADHDです。具体的には、ミスや忘れ物が目立つ、落ち着きがなくじっとできない、先を読まずに行動してしまうなどがあげられます。これらの特徴により学校場面などでトラブルを起こしやすかったり、うまくいかないことが増えると自尊心の低下につながります。本人にあったハードル設定をすることで達成感ややる気を引き出すことが大切です。場合によっては薬物治療が有効となります。
学習障害(LD)
知的発達の遅れや意欲、環境的な問題がないのにもかかわらず、読み、書き、計算など特定の課題に困難さがあり学業不振を生じるのが特徴です。無理に不得意なものを伸ばそうとするよりも、補助手段を用いたり、学習の工夫をすることなどが必要です。
チック障害、トゥレット症候群
まばたき、首ふり、咳払いなど突発的な運動や発声を繰り返すもので、これが慢性化固定化した場合をチック症と呼びます。多種類の運動チックと音声チックが複合的に認められ、これが1年以上続く場合をトゥレット症候群と呼びます。学童期に多く認められ、多くは大人になるにつれ自然に軽快します。心理教育や環境調整、周囲の理解などが大切で、場合によっては薬物療法が有効です。
夜尿症
2歳頃までは毎晩夜尿をしますが、年齢とともに徐々に減っていき、5~6歳では約15%、小学低学年で約8%、小学高学年で約5%に夜尿が認められます。夜尿は自然軽快していくことが多いですが、長く持続していると、お子様の自信を失うことにつながり、今後の心理面、社会面に影響を与えてしまいます。
抜毛症
自分で自分の髪の毛などを抜いてしまう。無意識に抜いてしまったり、自分でやめたいと思いながらも繰り返してしまう状態が抜毛症です。小学生から高校に多く見られ、自然に治る場合も多いですが、見た目に目立ってしまうと人前に出たくないなど日常生活に支障を来たしてしまいます。
分離不安障害
生まれた時は完全に母親に依存した状態ですが、成長過程において、徐々に分離・自立していきます。特に幼児期、学童期前半にかけて親と分離していく段階に差し掛かると、その分離に伴う不安を克服が年相応になされていない場合、過剰な分離不安反応を引き起こし、さまざまな身体的・精神的な症状を示します。
社交不安障害
人と接したり、人に注目されることに過度の緊張と苦痛を伴い、赤面、震え、発汗、動悸などの自律神経症状がみられるようになり、そのような状況を避けてしまう状態を社交不安障害といいます。人目を気にするようになる思春期辺りでこのような症状を呈しやすくなります。
不登校・引きこもり
不登校・引きこもりの形はお子様一人一人それぞれ異なります。ほとんどの場合は言葉で伝えられなくても強い葛藤に苛まれています。お子様を認めてあげること、そしてどういった選択が最良であるかを共に考えていくことが必要です。
強迫性障害
自分で分かっていても、不安や不快な考えが頭をよぎり、抑えられずに繰り返し何度も確認行動を繰り返してしまう状態が強迫性障害です。症状が強くなると、自身の日常生活に支障を来すばかりか、家族などの他者をも巻き込んでしまいます。他者を巻き込むと自責感や罪悪感が強くなり、さらに不安が高まるという悪循環に陥ります。
適応障害
ある特定のストレス因子により、著しい精神的苦痛や、身体症状を引き起こす状態が適応障害です。甘えなどと捉え、ストレスを耐え続けると重症化し、うつ病などにつながることがあります。
摂食障害
ストイックに食事制限をしたり、過度な運動をしたりしてやせを追求するあまり、平均体重を著しく下回った場合が拒食症であり、最低限の体重はあるものの、過度な食事制限とそれに伴う過食を繰り返す場合が過食症です。いずれにしても、体重や食事にとらわれすぎて通常の生活に支障を来たしている状態が摂食障害と言えるでしょう。特に成長期のお子様では拒食症が身体的な成長に与える影響は大きく早めの対応が必要です。
身体表現性障害
頭痛、めまい、動悸、呼吸がしづらい、喉の奥が詰まった感じがする、吐き気、胃部不快感、腹痛、下痢などが続いているにも関わらず、身体的な検査では異常がみられない場合、心理的な要因が身体の症状を引き起こしていることがあります。そのような状態が身体表現性障害です。「気のせい」などと考えずに、ぜひご相談ください。