むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)について
夜間安静にしている時に、足などに「むずむずする」「ピリピリする」「ほてる」「虫が這っている」ような、何とも言えない不快な感覚が生じる病気です。この感覚は個人によって様々なのですが、皮膚の表面からではなく、深部の筋肉や骨の付近から生じているように感じられるという特徴があります。その不快な感覚によって、足を動かしたくてたまらなくなり、足を動かすことによって一旦は改善されるのですが、動かすことを止めると、またすぐに症状がぶり返してしまいます。また、寝床に入る時に最も症状が悪化しやすいため、足が気持ち悪くてなかなか寝付けず、しばしば不眠を引き起こしてしまいます。日本では100人に2~5人の患者様がいると推定されています。典型的には足に症状が強く出るため、足や腰の病気と思われがちですが、むずむず脚症候群の原因は足ではなく脳にあるということがわかっています。
症状が軽度であれば、足をマッサージしたり、アルコールやカフェイン、ニコチンを控えたりすることで症状が軽減することがありますが、十分な効果が得られることは少なく、多くの場合はお薬での治療が必要となります。また、鉄欠乏性貧血や腎不全、パーキンソン病、関節リウマチなどの病気が原因でむずむず脚症候群を引き起こすこともあり、原因となる病気の治療を行うことで症状が改善することもあります。