皆さんこんにちは。
なんばみなとメンタルクリニック、医師の秋田です。
夜間じっと横になっているときに、脚に「むずむずする」「ピリピリする」「虫が這っている」ような不快な感覚が現れることはないでしょうか?
脚を動かすと楽になるのですが、止めるとまた脚が気持ち悪くなり、なかなか寝付くことができないといった場合、むずむず脚症候群である可能性が考えられます。
一般的な知名度はまだ低いですが、日本人では100人に4、5人の割合で存在するといわれ、最近では子どもにも1%の割合で存在すると報告されています。
病気自体の歴史は古く、17世紀よりこの病気が報告されています。
日本では「むずむず脚症候群」と呼ばれることが多いですが(海外ではrestless legs syndrome /Willis-Ekbom disease)、
実際は「むずむず」以外の多彩な異常感覚が生じ、脚だけでなく腰や腕などにも症状が出現することがあります。
また、子どもの場合は成人に比べて昼間に症状が現れやすく、
特に授業中や集会のときにむずむずしてじっとしていられなくなることが多いため、注意欠如多動性障害(ADHD)と誤認されることもあるようです。
診断の補助的な検査として、夜間の睡眠状態を評価する終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)があり、
症状が典型的でなければ、検査で睡眠中に周期的に足関節が動くかどうか(周期性四肢運動:PLMs)を確認することがあります。
しかし、むずむず脚症候群に類似した疾患(RLS mimics)もあり、診断がなかなか難しいこともあります。
治療としては、神経伝達物質である「ドパミン」を補う薬がよく効き、フェリチン(体内の鉄分を反映する蛋白)が低下している人には鉄剤が効果的です。
もしお困りの方がいらっしゃいましたら、一度ご相談頂ければ幸いです。
日中に日差しの暖かさを感じるようになりましたが、朝晩はまだ冷え込みますので、どうぞご自愛くださいませ。