まだまだ寒い日々が続きますね。

なんばみなとメンタルクリニック、医師の宮里です。

日々児童思春期の診療に当たっていると、慎重で、臆病なところがあり、繊細で傷つきやすいといった傾向がある子どもさんがよく来られます。同じ両親に育てられた兄弟姉妹でも、全く逆の性質を持っている場合も多く、これは生まれ持った気質と考えられます。

発達心理学者のジェローム・ケーガン氏は生後4ヶ月の乳児に対して様々な刺激を与えたところ、高度に反応した乳児はその後抑制的な気質になり、反応の低かった乳児はその後非抑制的な気質となったとしています。この行動抑制的な気質を持つ子どもは、幼児期に見知らぬ人物や新しい環境に強い不安感を感じやすく、回避しやすかったり、危険な状況には参加しないなどの行動傾向が見られます。

全く同義ではないと思われますが、最近ではエレイン・N・アーロン氏がそのような気質、傾向をHSPもしくはHSCと名付けておりますね。(これについてはまた後日コメントしたいと思います。)

さて、この行動抑制的な気質に関しては障害という類のものではなく、よく気づける、深く考えられるなどポジティブな要素でもあるのです。ただ無理に競争を強いられたり、他者と比較されるのは、このような気質をお持ちの子どもさんにはとても辛いことです。

大人はとかく「自分たちの時代はこうだったんだから…」などと自身の概念を子どもに押し付けがちになってしまいますね。しかし、子どもさんの個性に合わせてあげることがより良い生き方につながるのではないかと思います。

それでは。